2021年11月15日月曜日

ありがとうございました

 今年も県女生の情報発信プログラムを楽しんでいただけましたでしょうか。

会期後半はたくさん記事をアップし、今年のビエンナーレを見逃さないでほしい!

素晴らしい作品がたくさんあることを皆様にお伝えしたい!と思っていました。


あわせて、町民アートプロジェクトの展示も

お楽しみいただいた方、ありがとうございました。


またお会いしましょう!!


2021年11月14日日曜日

『After the Rain』白矢幸司さん(伊参エリア)

 こんにちは、しばです。今回、取り上げたい作品は伊参エリアやませにある白矢幸司さんの《After the Rain》です。この作品は、土間と板敷全体に水溜りのようなオブジェが置かれています。作者の白矢さんは、外との出入り口、炊事場、暖炉裏を囲む居間、農作業といったような作業場として機能し、ここでは家族の出来事や思い出がたくさんあると考えていて、そんな中で浮かんでは消えた感情と共鳴を思いながら、作品を設置したと言います。



様々な思い出を作ってきたこの空間に配置された水たまりには波紋が広がっています。そこからは、かつては感情であふれていた場所であることを感じました。

『Windgraph-Nakanojo-』鉾井喬さん(中之条市街地エリア)

 こんにちは、ひろです。

今回紹介する作品は、鉾井喬さんの《Windgraph-Nakanojo-》です。この作品は中之条市街地エリアにある旧廣盛酒造の2階に展示されています。「風の痕跡を記録する」という試みをもとに制作された作品で、会場には作品を撮影するために使われた特殊なカメラも一緒に展示されていました。

風は目に見えないものですが、こんなふうに「風が起きた」ということを写真に残すことができるんですね。目で風を認識するという珍しい体験ができました。





2021年11月13日土曜日

『移ろいゆく世界』齋藤寛之さん(中之条市街地エリア)

 こんにちは!

たそです。


今回は中之条市街地エリアにある博物館ミュゼの屋外に展示されている齋藤寛之さんの『移ろいゆく世界』という作品について紹介します。


ふるさと交流センターつむじを抜けて歩いていくと、

美しい作品が展示されています。



地面との接点はほんのわずかで、浮いているようにも見えますが

しっかりとそこに存在していて不思議な感覚を味わえます。

連続する曲線はとても綺麗で眺めていると海の波のようにも見えてきます。



また、博物館ミュゼの常設展示では、

時代ごとに変化してきた私たちの暮らしに関わる展示がされており、

この作品と合わせて鑑賞することでだんだんと変化するものや、時間の流れについて深くゆっくりと考えることができました。



多くのものがだんだんと変化してきましたが、

その中にはきっと変わらないものや変わってほしくないものもあるように思います。

作品とともに、自分の中の移ろいゆく世界についても思いを巡らせてみてはいかがでしょうか?


『実存しているということの証明』実存さん(中之条市街地エリア)

 こんにちは、ひろです。今回紹介する作品は、実存さんの《実存しているということの証明》です。

この作品は中之条市街地エリアにある旧廣盛酒造の蔵一棟を丸々使ったもので、中に進むと床一面にたくさんの「足」が。一瞬びっくりしてしまいましたが、壁を見ると、「足」を持って楽しそうな笑顔をこちらに向ける人たちの写真がずらっと並んでいました。「足」たちをよく見てみると大小様々な形をしていて、それぞれの個性が感じられました。不思議な温かみを感じる作品です。旧廣盛酒造に行ったら、ぜひ奥の蔵にも足を運んでみてください。





『Homespun』ラウス・ルイーズさん(沢渡暮坂エリア)

  こんにちは、フジです。今回は、階段の家に展示されているラウス・ルイーズさんの

Homespun』をご紹介します。

 この作品は、沢渡温泉街の中に展示されています。趣のある温泉街の細い階段を登ると、
階段の家が現れ、そこには、手足を伸ばす、絹でできた大きな繭玉がいくつも展示されています。
作者は、女性職人への関心から、中之条の養蚕の伝統に惹かれ、この作品を作ったそうです。
ふわふわの絹の繭玉から、温かな家庭を連想しました。

また、作者コメントによると、「外出自粛後に待っている新世界のために、変容と、
再び現れる可能性を提案する空間となる。」とのことです。
繭玉から伸びる手足が、自由に外出できる世界を思わせます。





『移りゆく空間へ』山口諒さん(沢渡暮坂エリア)

 こんにちは、しばです。今回ご紹介する作品は、沢渡暮坂エリアの旧沢田小学校に展示されている山口諒さんの《移りゆく空間へ》という作品です。2015年に廃校になった旧沢田小学校は今でも大きな存在感を持って佇んでいます。かつては通常の小学校のように子供たちの活気に満ちていたこの学校も、今は誰もいません。作者の山口さんはそんな状態の小学校が私たちの知らない世界や空間を持ち、語りかけてくれるのではないかと述べています。


ひろめの教室の真ん中に大きめの画面があり、そこには小学校の風景画が延々と映し出されています。



作品からかつての小学校の活気と静けさを感じられ、鑑賞しているときには自分の小学校時代も思い出しました。


2021年11月12日金曜日

『Object Beings』角田美和さん(中之条市街地エリア)

 こんにちは!

たそです。


今回は、中之条市街地エリアにある旧廣盛酒造に展示されている

角田美和さんの『Object Beings』という作品について紹介します。


ふるさと交流センターつむじから5分ほど歩いたところにある旧廣盛酒造。

風格のある蔵の中に、10人のアーティストの作品が展示されています。



角田美和さんの『Object Beings』は、

5分32秒の動画の作品です。


動画を見ると、

過ぎて行く人や時間の流れから、モノと人の存在について考えさせられます。


関守石(庭園内にある十字縛りにされている石で、「立ち入り禁止」の目印として置かれている石)のように

ただそこにある『モノ』と思っていたものも、

意味や役割を持って私たちと同じような時を過ごしているのだと痛感しました。



『トリックスター百鬼夜校』浅野暢晴さん(四万温泉エリア)

 こんにちは、ばんびです。今回は、浅野暢晴さんの『トリックスター百鬼夜校』という作品をご紹介いたします。

 四万温泉エリアにある旧第三小学校内に展示されている本作品では、人々が去ったあと、夜な夜な現れる異形たちの学校の様子を表現しているそうです。




私が訪れたのが夕方であったということもあり、異形たちが現れた薄暗い教室内には、怪しく不思議な雰囲気が漂っていました。教室内外に列をなす異形たちや隅に腰掛ける異形、窓付近でぶら下がっている異形、壁に展示された異形たちのスケッチなど、教室内外のいたるところに大小さまざまな異形たちがいます。異形たちがつくり出す怪しい雰囲気を楽しみながら、お気に入りの異形を見つけてみてはいかがでしょうか。








『ワールドおさがりセンター中之条【無要国】』酒井貴史さん(伊参エリア)

 こんにちは、Ranです!


  今回私が紹介するのは、中之条アーティスト・イン・レジデンス(NR)の内の一つ、イサマムラにある酒井貴史さんの『ワールドおさがりセンター中之条【無要国】』です。

  教室を入ると、そこにはたくさんの「いらないもの」で溢れています。こけしや雛人形、布切れや食器、籠や、誰かに当てられたハガキなど…。寂しげな雰囲気と共に、何故か懐かしさと時の経過を感じさせます。

  そこは中之条の人々から集めた「いらないもの」があるのですが、訪れた人々は一つ「いらないもの」を貰って良いというルールがあります。

  私もせっかくなので、和柄の布で出来た可愛らしい謎の何か(?)を頂きました!すると、同じく「いらないもの」を貰ったというご夫婦に話しかけられました!奥様が嬉しそうに「リメイクして使う」と言われていたのが印象的でした。

  「いらないもの」は、誰かの「いるもの」なのかもしれません。改めて教室の前に飾られた漫画とコンセプトを見た時、そう感じますね。





『吾妻の空駕籠』木村吉邦さん(伊参エリア)

 こんにちは、フジです。今回は、旧五反田学校に展示されている、木村吉邦さんの『吾妻の空駕籠』をご紹介します。この作品は、かつて物資の輸送路として河川を利用していた吾妻地域で、もしも、輸送方法として凧で浮かび上がる駕籠が考案されたとしたら、という仮定から生まれたものです。作品を見た時、まず、その大きさに圧倒されました。教室いっぱいに広げられた凧を眺めながら、それが何枚も大空を飛んでいる様子を想像する、ロマン溢れる一時を楽しめます。




『空間の映像化』西山修平さん(沢渡暮坂エリア)

 こんにちは、しばです。今回は、西山修平さんの《空間の映像化》について紹介していき

たいと思います。この作品は沢渡暮坂エリアにある旧沢田小学校で鑑賞することができま

す。壁に隔てられている二つの教室にそれぞれカメラ、プロジェクター、モニターが設置

されていて、片方の教室の様子をもう片方の教室に放映されています。鑑賞者はその映像

を介して、二つの空間を鑑賞することができます。

こんな感じで隣の教室に設置されているカメラが画面手前の教室に映し出され、空間が共有されています。



画面奥に小さく写っているのが、カメラにポーズをとる筆者で、手前の教室に映る人物が

プロジェクターによって映し出された筆者です。

空間を映像を通して体験することのできる楽しい作品でした。

2021年11月11日木曜日

『農具ミュージック』岡淳さんと音楽水車プロジェクト(六合エリア)

 こんにちは!

たそです。


今回は、六合エリアにある

お蚕さんの里に展示されている

岡淳さんと音楽水車プロジェクトの『農具ミュージック』という作品について紹介します。


中之条市街地から40分ほど車を走らせたところにある六合エリア。

展示会場となっている赤岩地区は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている自然豊かな場所です。


身体中に自然を感じながら歩いていくと、

可愛らしい音楽が聞こえてきました。


その音楽の正体は、

お蚕さんの里の2階に展示されていたこちらの作品。

繭から生糸を繰り糸する座繰り機を使用した作品で、

それぞれ違う木琴の音やリズムが重なって心地よいメロディーです。

かつて栄えた養蚕業を思い浮かべながら、新しい角度で楽しめるものでした。


1階と2階に展示がされていて、

1階では農具を使用した作品からポップで明るい音楽が奏でられています。

農具や民具が紡ぎ出す演奏はとても素敵で1度聞いたら忘れられません。


自然と歴史を味わいながら、音楽に心を委ねておだやかな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?


『カマキリの食卓』石坂孝雄さん(伊参エリア)

 こんにちは、ばんびです。今回は伊参エリアのスタンド跡地に展示されている、石坂孝雄さんの『カマキリの食卓』という作品をご紹介いたします。



 本作品を初めて鑑賞したとき、私は巨大なカマキリの迫力にとても圧倒されました。このカマキリが向う食卓には、ワインボトルとワイングラス、それからお皿が並べられているようです。ワインと共に何を喰おうとしているのか、私たち鑑賞者は自由に想像することができるのではないでしょうか。ちなみに私は、ワインに合うおいしい生ハムを喰っているカマキリの姿を想像してみました。

カマキリの鋭い前脚や膨らんだ腹部、後ろ姿、ワインボトルのラベルなど注目ポイントが多数ありますので、是非じっくりご鑑賞ください。







『忘れもの薬局』DamaDamTal(中之条市街地エリア)

 こんにちは、ひろです。今回紹介する作品は、DamaDamTalさんの《忘れもの薬局》です。

中之条市街地エリアの、商店街にある薬局の店舗を丸々使った体験型の作品で、お店に入り席に座ると、薬局の店主が私と友人の「忘れもの」を探してくれました。店主の歌声やお店の中の空間は、聞いたことも見たこともなかったのにどこか懐かしいような不思議な気持ちを呼び起こします。皆さんもぜひ、忘れものを探して貰ってみてくださいね。

「あなたの忘れものは何ですか?」




『Paradise Paradise/Microcosms』TETTA(杉本聡子)さん(中之条市街地エリア)

 こんにちは、Ranです!


  今回紹介するのは、TETTA(杉本聡子)さんの『Paradise Paradise/Microcosms』です。

  場所は中之条市街地エリアにある、王子町ガレージです。

  少し下り坂の市街地を駆けていくと、白い外装のガレージの中に大きな蓮の花が咲いています。鮮やかな桃色に目を惹かれることでしょう。それはくるくるくるくる…音を立てて回ります。

  その周りをお煎餅や漆器が乗った台がくるくる回ります。さらに、天井から吊らされた飾りが風の動きでくるくる回ります。キラキラ光る青、銀色、金色の飾りをよく見ると…なんと、ビールの空き缶なのです!

  ガレージの中に足を踏み入れると、展示作品が回っているのか、自分が回っているのか、世界が回っているのか、分からなくなるような不思議な空間。

  事務局の方のお話によれば、休日には作家さん自身が蓮の花の上に乗って回ることがあるそうです!

  蓮の回りをぐるり回って、不思議な世界を体験してはいかがでしょうか?





『Mountain/Mother』船井美佐さん(伊参エリア)

 こんにちは、フジです。今回は、船井美佐さん『Mountain/Mother』をご紹介します。中之条ガーデンズ内、花みどり館の2階に展示されているこちらの作品は、うさぎや鳥などの動物、そして植物などがモチーフとなった、すべり台型の絵画作品です。内部に入れる構造になっていますが、新型コロナウイルス感染症対策のため、残念ながら立ち入り禁止になっていました。しかし、小さな女の子が興味深そうに内部を覗きこむ、可愛らしい様子を見ることができました。外から見るだけでもワクワクする作品です。

 中之条ガーデンズも美しいバラが咲いており、素敵な癒し空間になっています。



2021年11月10日水曜日

『Fragile Passage』ヒデミニシダさん(伊参エリア)

 こんにちは、ばんびです。今回は、ヒデミニシダさんの『Fragile Passage』という作品をご紹介いたします。



 伊参エリアにあるイサマムラ裏の谷に展示されている本作品では、谷を下る風景の中にみちをつくっているそうです。




作品の近くで鑑賞するとなかなかみちは見えてきませんが、少し離れて背景の山々と共に鑑賞することで、目の前の風景の中にどこまでも続くみちが見えてきそうです。ちなみに私が訪れたときは、雨が降っており遠景は霧に霞んでいました。本作品において現れるみちは、背景の様子や天気、鑑賞する角度などによって異なるように感じます。自分だけのお気に入りのみちを見つけてみてはいかがでしょうか。




 


ボランティア体験記

 こんにちは、Ranです!

  先日、中之条ビエンナーレのボランティアに参加させて頂きました!


  今回私は、伊参交流館の受付スタッフを務めさせて頂きました。
伊参交流館はイサマムラの隣にある、我がアートマネジメントゼミの作品がある展示場所です!

  その日は高齢のご夫婦やカップルの来客が多く、特にカップルが私たちが作ったあみだくじを楽しそうに体験してくれていました。盛り上がる声が聞こえてきましたよ〜!

  ボランティアをしていて一番印象に残ったのは、お客さんが帰られていく姿です。皆来客してくださったお客さんが、満足して帰られる姿を見られることが、とても嬉しかったです。また、そんなお客さんたちに「ありがとうございました」と言えることも、ボランティアとして最高に嬉しいことです。

  平日ということもあり、午前は来客が少なかったのですが、午後は徐々に来客が増え、この日は109人ものお客さんが来てくださいました!

  事務局の箱田さん、本当にお世話になりました。沢山学ばせて頂きました。ありがとうございました!

『小屋の記憶』柳沢和孝+滝本翼さん(中之条市街地エリア)

 こんにちは、まえまです。今回ご紹介する作品は、柳沢和孝+滝本翼さんの『小屋の記憶』です。


中之条市街地エリアにある、かたや裏の小屋の作品です。

外から室内全体を見渡すことができるくらい、小屋のあらゆる部分が取り除かれていますが、その演出によって、静かに立っているけれど、力強さをも兼ね備えた家の「芯」そのものを感じました。

小屋の手前から奥にかけて、障子枠や竹垣など様々な線が重なって1つの模様のようになっているのがとても綺麗でした。


かたや裏の小屋は他の作品から少し離れた場所にありましたが、市街地を散策しながら探すのが楽しかったので、みなさんもぜひ、この場所に足を運んでみてください!




 



『一人称劇場』第二次谷杉/ミミトメさん(四万温泉エリア)

 こんにちは、Umiです。本日は、旧第三小学校で展示されている第二次谷杉/ミミトメさんの作品《一人称劇場》を取り上げます。

こちらは、鑑賞者の参加によって成立するインスタレーション作品です。展示室内に何体かの人形がポーズをとっており、オブジェと同じポーズをとって書かれたセリフを小さく声に出すようにと指示書きがあります。旧第三小学校に通っていた人など来場者が会ったことのない人々のセリフを声に出すことで、自分の中に他人を少しだけインストールするという演劇の枠組みを用いた試みだそうです。ポーズやセリフは不思議ですが、真似すると知らない人たちのい出を共有できるようでとても面白い作品になっています。






2021年11月9日火曜日

『rectification』中村壮志さん(中之条市街地エリア)

 こんにちは、まえまです。今回ご紹介する作品は、中村壮志さんの『rectification』です。


この作品は中之条市街地エリア、旧廣盛酒造にて鑑賞することができます。

かつて酒造だった空間に中村さん独自の視点による映像作品が溶け込んでいて、まるで旧廣盛酒造は『rectification』のために、『rectification』は旧廣盛酒造のために存在しているかのようで素敵でした。


また、映像作品に映る人物や景色といった全てが美しくて、とても魅力的でした。
私もしばらく作品から目を離すことができなかったです!




『何が聞こえる』春田美咲さん(四万温泉エリア)

 こんにちは、Umiです。本日は、旧第三小学校で展示されている春田美咲さんの作品《何が聞こえる》を取り上げます。

音をテーマにしているこの作品は、校舎の西館1階から2階にかけて「ミシミシ」や「カタカタ」といった物音が部屋中や階段などいたるところに表されています。これは、春田さんがかつて旧第三小学校で制作中に聞いた熊出没のサイレンの音がとても恐ろしく感じられ、音から得体のしれないものが頭の中で膨らんでいく感覚を作品にしたといいます。階段の廊下には、脳内で恐怖や不安な想像がだんだんと膨らんでいく様子が表されています。音を目に見える形として表現した面白い作品でした。