こんにちは、みーばるです。
カリン・ファン・デル・モーレンさんの
『いのちの道具:一本の糸から』についてご紹介します。
旧沢渡館は沢渡温泉街の旅館の一つとして経営されていたため、
いくつも部屋があります。カリンさんの作品は、
1階の奥の部屋と地下1階に展示されていました。
まずは1階です。ここではいくつかの座敷に白い布が吊り下げられていました。
よく見ると縫い合わされていたり編まれていたりと布一つひとつに
個性が感じられます。
キャプションによれば「カリン・ファン・デル・モーレンの作品は、
持続可能性と、丁寧な手仕事の価値を主張します」とあり、
かつてこの地で行われていた養蚕業に想いを馳せることができる作品となっています。
Uターンして地下1階へ足を踏み入れると、
地上とは違った不思議な雰囲気を漂っていました。
最初の部屋は洗面所のような空間で、正面の窓を見るとそこには人影が……!
置いてある物たちはありふれている物なのに、
並べられていることによって独特な空気感が生み出されています。
扉の奥には小さな浴室が壁を隔てて2つありました。
おそらく男湯と女湯として使われていたのでしょうか。
湯船の中には顔が映っていたり、象徴的なオブジェクトが置かれたりしていました。
奥の浴室では一定の間隔でホースから水が流れ出る演出もあり、
視覚と聴覚が同時に刺激されるインスタレーション作品となっています。
浴室を抜けると一転、明るい世界が広がっていました。
シンクには大量の歯ブラシがあり、反対側にはかつて使われていたであろう部屋着が
大量に掛けられていました。
最後の部屋には引き出しが全て開けられた箪笥がたくさん置いてありました。
右の一角には全裸の男性の映像が映し出されており、シュールな空間になっていました。
この部屋を抜けると先ほど降りてきた階段があるため、
私たちは地下を一周してきたことが分かりました。
地下の一連のインスタレーション作品たちによって、
この館に秘められた何かを全身で感じることができました。
皆さんも沢渡エリアに訪れた際はぜひ旧沢渡館に足を運んでみてください。
そして全身でこの空間を味わい、さまざまな人々と共有してみてほしいです。
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