2025年9月28日日曜日

『いのちの道具』カリン・ファン・デル・モーレン(澤渡神社)

 こんにちは、とうこです。

今回は、沢渡暮坂エリアにあるカリン・ファン・デル・モーレンの《いのちの道具》をご紹介します。



この作品は、澤渡神社の社殿の前に展示されています。

澤渡神社までは、沢渡ギャラリーから旧沢渡館へ向かう途中、横道にある階段を上がっていくとたどり着けます。

ふと現われるその神社の境内に、ひっそりと佇む《いのちの道具》。

皆さんは、この作品が何を表していると思いますか?




実はこの作品、「巨大な針」をかたどったものだそうです。かつてこの地域で営まれていた養蚕業を支えた女性たちへの敬意が込められており、その思いを形にした記念碑のような存在でもあります。

近づいてよく見てみると、無数の細く裂かれた竹が編み込まれていたり、布が貼られていたりと、手仕事の痕跡が随所に感じられます。




針の先端から布、そして繊維へと進んでいく「縫う」という行為を、素材と構造で表現しているようにも思えました。

さらに作品の一部に使われている布は、中之条の人々から寄贈された古布だそうです。地域の記憶や思いが、この針の造形を通してひしひしと伝わってきます。

ぜひ、澤渡神社まで足を運び、この地域に刻まれた歴史、文化、人々の記憶を感じてみてください。

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